去年の春、僕が南米に旅をしようと思ったきっかけがボリビアの「ウユニ塩湖」でした。その時せっかくの南米旅行だったので、ボリビアに行く前に隣国のペルーに行こうと決めて行ったのですが……。ペルーのクスコに到着してからというものの、もう正直帰りたいと思ってしまうような初めての体験をしたので、ご紹介したいと思います。

クスコ着、寝起きに感じた体調不良

ペルーのリマからバスで20時間、人生最長時間のバスに乗りクスコへ。クスコに着いてからは夕飯を食べ、広場などクスコの街を散歩しながらその日は宿に戻り、1日目が終了しました。

朝、目が覚めると体のだるさでフラフラして頭痛もひどい。お腹も怖して体調は最悪すぎるコンディションながらも、南米という異国の地でハイテンションになっており、少し元気な自分もいたことを覚えています。

宿の人に伝えたら医者を呼んでくれる事になり、めちゃくちゃ美人な先生がやってきて診察をしてもらうと、高山病と食べ物が当たったことによる、Wパンチが原因とのこと。とにかく熱がすごかったので、救急車で近くの病院へと運ばれることになりました。まさか人生初の救急車がペルーになるなんて思ってもいなかったです(笑)

まさかのドクターストップで登頂断念か!?

病院に着いて再度診察をしてもらい、酸素を注入されたり点滴を打ったり、ご飯を食べたり、南米サッカーをみながらずっとベッドの上でゴロゴロするという、地球の真裏まできて何してんだみたいな感覚で病院にいました。

いつ病院を出られるのか、明日のレインボーマウンテンには間に合うのか、と医師に尋ねたところ、まずこのままの状態で病院から出すことはできないし、レインボーマウンテンなんて行かせるわけにはいかないとのこと(そりゃそうだ)。一度は諦めようかと思いましたが、南米まできて諦めるわけにはいきません。

なんとしてでも行ってやるという謎の根性により医師を説得を続け、「なんとしてでも止めたい医師」VS「なんとしてでも行きたい自分」の戦いが病院内で繰り広げられてました。

すると「どうしても行くならここにサインしてからじゃないと無理だ。そしてレインボーマウンテンに登るなら、ハイキングではなく馬を使いなさい」ということになり、その契約書らしきものにサインをし、夜中に宿に戻りレインボーマウンテンに出発することに。

レインボーマウンテン登頂スタート

早朝、宿にツアーの車が迎えに来てくれていざレインボーマウンテンに出発。何時間その車に乗ったのかは覚えていないけれど、途中で食事休憩などを挟みながら、レインボーマウンテンのスタートラインに辿り着きました。もうその時点で空気はかなり薄く、体調も治っていない自分は本当にきつかったです。

医師の指示に従い馬に乗って登山が始まりました。周りの人はやはり自力で登りたいためかスタートから馬を使っている人はほとんどいません。

一応説明をしておくと、お金を払うと馬に乗ることができます。しかもスタートラインからではなく、登山中は標高もどんどん高くなってきつくなってしまった人のために、途中にいくつも馬に乗れるポイントがあり、課金すればいつでも馬に乗って登る事ができます。

かつ途中から乗ると、移動距離も短くなるため料金も下がるといった、言ってしまえば「きついなら、いつでもお金を払って楽に登れちゃいますよ?」といった悪魔的なシステムなのです。

レインボーマウンテンの登頂するまでの景色、この自然の壮大さというのは南米のいいところなのではないかなと思います。途中にアルパカがいたりこの大自然の中を馬に乗っていた時間は今思うと贅沢な時間だったなと思います。

登頂手前辺りで馬から降り、最後の部分は自力で登らないといけないため、馬から降り登山スタート。スタートから最後まで登った人からしたら、自分の登った距離などほんの一部に過ぎませんが、自分にとってこの一部が本当にきつく、一歩歩いては少し休んでの繰り返しでした。

やっとの思いで、なんとか登頂。レインボーマウンテンと言われるほどの絶景を前に、昨日の病院からよくここまで頑張ったという気持ちで感動で震えたことを覚えています。

けれどもし、スタートからハイキングで登頂していたら、もっと感動していたのかなと思うと、これはまたリベンジしなければなという気持ちにもなりました。ということで今年の世界一周でリベンジしてきたいと思います!

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