ポルトガルを代表する都市といえばリスボンや大学都市のコインブラなどが挙げられますが、最近話題を集めている街があります。それが、ポルトガルで一番美しいと言われる「オビドス」です。

絵本の中に出てくるような風景、鮮やかな花が咲き誇る街にきっと魅了されるはず。そんなオビドスの魅力をご紹介します。

城壁に囲まれた可愛い街

オビドスは街全体が城壁で囲まれ、白い建物にカラフルなペイントが映える光景が広がっています。人口はわずか800人ほどの小さな街。「谷間の真珠」という呼び名も持ち、その景色を一目見ようと国内外から観光客が訪れています。

私が訪れたときにも、日本や韓国から来た団体観光客の姿を見かけました。

オビドスの歴史は、中世まで遡ります。13世紀にポルトガル王と王妃が新婚旅行でオビドスを訪問し、王妃はその可愛らしさから街をとても気に入ったそう。

王は王妃にこの街をプレゼントし、その後も王妃に受け継がれる“王妃の村”としても知られるようになりました。

代々王妃にプレゼントされていたオビドスですが、最後は敵が城を破り、攻め込まれてしまったとのこと。なんでも王妃が敵側の兵士に恋をして、彼のために城の入り口を開けてしまったのだとか……とても大胆なお姫様ですね。

フォトジェニックな風景の連続

オビドスの一番の魅力は、カラフルでフォトジェニックな風景! 白い壁には青や黄色、赤のペイントがされており、絵になる光景が広がっています。どこも可愛らしくて、写真を撮ろうと何度も立ち止まってしまうほど。

実はこの色の違いは、納めていた税金の額によって異なっているそうです。壁の色によって、身分がわかるということですね。

ちょっとした窓枠もとってもおしゃれ。

そしてポルトガルでよく見かける花、ブーゲンビリアをここオビドスでもたくさん見かけました!色鮮やかなブーゲンビリアの花は、白いオビドスの風景にうまく溶け込んでいます。

フォトスポットだらけなので、私もついつい写真を撮りすぎてしまいました。フォトジェニックな風景が好きな人は、気に入ること間違いなし!

チョコの容器に入ったお酒、ジンジーニャ

オビドスでぜひ試してほしいのが、ジンジーニャというさくらんぼの果実酒。さくらんぼはオビドスの名産品の一つで、この地域のお土産としても人気を集めています。

ジンジーニャのおもしろいところが、チョコレートでできたカップで飲むということ! ショットのような少ない量で提供されますが、アルコール度数は20度ほどですので、お酒が弱い人は注意してくださいね。

お酒自体は甘く、飲みやすい味。飲んだあとにカップのチョコレートをぱくっと食べれば、スイーツを食べたような気分になりますよ。スーパーにも売られているので、気に入った方はお土産にもおすすめです。

ポルトガルのご飯は日本人の舌に合う味付け

食事をしたのは、オビドス近くの食堂「Poco dos Sabores」。地元の人に人気のスポットだそうで、訪れたときも活気付いていました。

お昼からワインをよく飲むポルトガルのレストランでは、よくチーズやフルーツが出てきます。生ハムにメロンという組み合わせにびっくりしたけれど、塩気とメロンの甘さが絶妙。

そして食べたのは、海老の出汁がよく効いたご飯。お店の方にメニュー名を聞いてみると、日本語で「野生ごはん」という意味なんだそう。なんだかワイルドな名前ですが、出汁が効いたお米がとてもおいしく、量が多かったにもかかわらず完食してしまいました!

街並みが可愛くて、地元名物のお酒も楽しめて、グルメもおいしいだなんて……すっかりオビドスの虜になってしまいました。

王妃に愛されたオビドスへ

今まで「オビドス」という街の名前を聞いたことがなかった人も、少し興味が湧いてきませんか?

ポルトガルにはリスボンのような大都市もありますが、地方都市も魅力に溢れています。日帰りツアーなども開催されていますので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね!

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