世界を旅していると、入国が難しいと言われる国がいくつかあります。情勢的に難しいこと、ビザが発給されにくいことなどが理由にあげられます。

トルクメニスタンも入国が難しい国のうちの一つ。

情勢も悪くなく、ビザ発給の条件もそこまで厳しくないのですが、発給されるビザが入国からたった5日間の滞在しか許されないトランジットビザのみ。限られた時間の中で、トルクメニスタンを駆け抜けなければなりません。

そんなトルクメニスタンに行く多くの旅人の見たい絶景が“地獄の門”と呼ばれる場所。今回は、暗闇を徒歩で進んだ先に見た絶景の話をさせていただきます。

白い建造物だらけの街アシガバートへ到着

トルクメニスタンの首都はアシガバート。イランの国境を越えて車で移動したら到着でき、トルクメニスタンを訪れる旅人の大半が一泊は滞在する場所です。

アシガバートではCouch Surfingを利用し、トルクメニスタン人の方の家に泊めていただく事になっていました。

ホストの方がアシガバートの街を案内してくれたのですが…

至る所に白を基調にしたビルや建造物が建ち並んでいました。

トルクメニスタンに関しては地獄の門以外の情報を全く調べていなかったため、アシガバートがこんなに綺麗な街だとは思いもしませんでした。

このような建造物もありました。何かのモニュメントなのかなぁと思っていたのですが…

まさかの観覧車でした。

ゴンドラ越しに加えて、観覧車の周りは透明なガラスのようなもので覆われているので景色はあまり見えませんでしたが、アシガバートの観覧車に乗れただけでラッキーな気持ちになりました。

地獄の門の拠点ダルヴァザへ行こう

地獄の門の拠点となる場所はダルヴァザといいます。小さなチャイハネというお茶屋さん兼宿泊施設がいくつかあるだけのところです。

南にある首都アシガバートから、北にあるダショウズという街の間に一本の道路があり、その途中にダルヴァザがあります。

そのため、地獄の門を訪れたい旅人はバスに乗ってダルヴァザで降車しないといけません。

ラッキーなことに、ホストの方が僕をダルヴァザまで車で連れて行ってくれました。宿泊も食事の用意も全てしてくれた、とても優しいアマンさん。

暇だったから連れて行ってあげるというような距離でもないのに、途中小さな地獄の門のような場所にまで連れて行ってくれました。

こちらは燃えてはいませんが、下からガスがボコボコと湧き出ていました。

トルクメニスタン人の方と出会うことは中々ないと思うのですが、僕が出会ったトルクメニスタン人の方はアマンさんをはじめ、とても優しい人ばかりでした。

ダルヴァザのチャイハネに到着

ダルヴァザにはいくつかチャイハネがあり、アマンさんがいろんな方に僕を宿泊させてほしいと頼んでくれました。

有名になってきている地獄の門ですので、旅人もよく訪れるようになりました。そのため、宿代も高騰し続けており、思っていたよりも高い値段を言われてしまいます。

そんな中見つけたのが…

こちらのピンクのチャイハネ。

こじんまりとしており、宿泊施設なのかと思うような場所ですが、それでも大丈夫です。だって、今日野宿ですから。

地獄の門を訪れる際は、荷物だけチャイハネに置いて、少量の荷物だけを持って、そのまま地獄の門のまわりでキャンプをするんです。

僕を迎え入れてくれたのはこちらの方々。(真ん中の方は眠そうでした。)とても明るく、元気な家族です。どんどんお菓子を持ってきて、僕に勧めながらみなさんでたくさん召し上がっていました。

そして暗くなる前に僕は地獄の門にむけて出発。

真っ暗闇の中、光を頼りに進む道

チャイハネのファミリーに見送られ、僕は地獄の門を目指します。

街頭なんてありません。今の時代はスマートフォンのGPSがあればなんとか方向ぐらいはわかりますが、そこは道がなく真っ暗な砂漠のような場所。

遠くの方に見える、赤い光を目指して進むだけです。もちろん途中には坂道もあり、下ってしまうと光が見えなくなってしまいます。それでもまた坂をのぼり、赤い光を見つけ、そこをひたすら目指す。

「これぞ冒険!」

と思えるような夜のトレッキングでしたが、ひとりぼっちは寂しいのでおすすめできません。

見よ!これが地獄の門だ!

チャイハネを出て二時間ほど。

僕の目の前に地獄の門が広がりました。

砂漠の真ん中にぽっかりと大きな穴が開き、そこから毒性のあるガスが出ているため、火をつけて対処したことによりできあがった地獄の門。

まわりには何もなく、ただ風が通り過ぎる音が聞こえるぐらい。

もっと火が燃え盛っているものを想像していたのですが、実際これだけ近づくとものすごく熱いので、適度に燃えてるくらいがよかったのかもしれません。けれど、やっぱり自分で見た光景は本当に絶景で、ここにきてよかったなぁと思えるものでした。

トルクメニスタン人の優しさにも触れ、見たかった絶景を見ることができ、非常に満足なトルクメニスタンの旅でした。

ちなみにここでの野宿は火から離れると寒く、火に近づくと転落が怖いため、寝るに寝れない野宿でした。

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