

「ミャンマーはビザが緩和されてきていて、観光客が入国しやすくなったから国内の雰囲気が変わらないうちに行ったほうがいいよ!田舎が好きなら絶対に気にいるはず!」
そんな話を旅人から聞いたのが数年前。気が付けば日本も期間限定でビザが緩和されるようになり、一週間ゆっくりとミャンマーに滞在することをようやく決意しました。
人気の観光地バガンを訪れて見えた観光地の現状、観光客のマナー、自分の意識。後述しますが、旅をすることは知性、感性、理性がとても大事だということ、そんなことを改めて私に気づかせてくれたのです。
世界遺産に登録されたバガン遺跡をメインに観光
ミャンマーで有名な観光地は、世界遺産に登録されたバガン、首都のヤンゴン、少数民族が住むインレー湖、落ちそうで落ちないチャイティーヨー・パゴダなどがありますが、今回はバガンをメインで旅してきました。

バガンは、インドネシアのボルブドゥール遺跡、カンボジアのアンコールワット遺跡と同じく世界三大仏教遺跡と称されるバガン遺跡が存在する場所です。
ずっと田舎で育ってきたからなのか、都市よりもラオスの古都ルアンパバーンや、田園風景、自然が溢れる景色が大好きなので、ミャンマーへの期待値は大きくなるばかりでした。

ミャンマーの物価は日本と比べてだいぶ安く、食事は300円もあればお腹いっぱい食べることができました。料理は油っぽいものが多かったかな。

伝統衣装のロンジーという巻きスカートを男女共に履いている人が多く、日焼け止めに効果的な「タナカ(tanaka)」を顔に塗って生活しています。形から入るのが好きなのでロンジーもタナカももちろん体験!

現地に到着したらまずはバイクをレンタルしよう

バガンの遺跡群は多岐にわたっているので、電動バイク(Eバイク)をレンタルするか馬車を貸し切るかが自由に散策する手段となります。
舗装されていない道が多く、砂埃を浴びながら走ることになるので覚悟してください。マスクもサングラスも持って行ってなかったのでストールを口元に巻いて爆走していました。

最初は戸惑うものの、RPGの中を冒険しているみたいでワクワク!日本と違って免許証の掲示は求められませんでしたが、心配性の方はヘルメットレンタルを忘れずに。(ちなみに借りてるの私ぐらいでしたが……。)
料金は丸1日レンタルして5,000チャット(2019年3月当時日本円で約360円)という破格の値段!ただし、中にはブレーキが効かないものもあったので、必ず試し運転はしてくださいね。
過去、原付に1回しか乗ったことがない私でも無事に運転することができ、最終日はおもいきりスピードを出すぐらいには慣れていました。
風を切りながらのバイクの運転は本当に気持ちよかったし、少し走れば次の遺跡がひょいっと現れるので、お気に入りの遺跡を探してあてもなく走り続けるのもおすすめです。

また、仏塔の中は自由に見学できる場所とそうでない場所があるので、入り口にある看板を確認してから見学するようにしましょう。全ての仏塔はブッダの家。土足厳禁、靴下も脱ぎ裸足になって中に入ります。
夕焼けの時間に訪れるならこの場所!

バガンに着いた初日、サンセットはどこから眺めようかなぁと検索していると、たどり着いたのが「バガンビューイングタワー」の情報。
入場料に5ドル必要でしたが、最上階では360度のパノラマビューが広がっており、サンセットの時間オレンジに照らされた景色は一見の価値アリでした。人気のスポットなのか、観光客が多めなので悪しからず。

サンセットを見に行った場所でハッとさせられる
バガン観光で楽しみにしていたのが、下の写真のように朝靄がかかる遺跡に浮かび上がるバルーンと遺跡のコラボレーションを、仏塔に登って眺めることでした。眼下に広がるファンタジーのような絶景を写真に収めたかったのです。

しかし、現地に行ってみると規制により中に立ち入ることができない仏塔ばかりだったのです。前情報として、観光客のマナーの悪さや事故があったことにより昔よりもだいぶ制限されていることは知っていましたが、もう全て登ることは不可能なのではないかと思います。
その時、私の頭をよぎったのは「あの写真みたいな絶景が見れないんだなぁ。残念。」という気持ちでした。今思えばとても恥ずかしいことだと思います。
ゲストハウスで、サンライズをどこから見ようかと悩んでいると、出会った人がおすすめの場所を教えてくれました。地図にピンをつけて次の日早朝に向かってみると、人気の場所なのか人の群がりが。そこには靴は脱いでいたものの遺跡によじ登っている人が多数いたのです。
見渡したところ立ち入り禁止の看板はなさそうでしたが、仏塔によじ登る行為が失礼に、そして罪悪感を感じて、登ろうとは思えませんでした。「よじ登ってまで景色を眺めたくはない」と心のどこかで思ったのです。
私たちが守っていかなければならないこと

そこでやっと自分の考えの恥ずかしさに気がつきました。この場所に住んでる人たち、過去に仏塔を建てた人たちのこと、文化、宗教のことを私は何も考えていなかったんだと。
ただ綺麗なものだけを見て、良かった!と伝えてSNSで発信する。それって本当に旅をするってことなのかな?いわゆる「写真映え」しか考えてなかった自分がとても恥ずかしくなりました。
旅に出る前にその土地のことを学び、知識を持ってその場所で感じ、敬意を持って足を運んでいなかったことをとても反省しました。
旅を広めることの大切さ
旅を広めることで多様な文化を理解し、知り、認め合う。その行き着く先が平和にも繋がっていくんだということを、この旅を通して再確認させてくれたのです。自分の中で世界一周中に感じていたはずだったのに、いつの間にか薄れてしまっていたことがとても残念で恥ずかしかったです。
こういった遺産を次世代に残していくためには一人一人が意識して大切にしようと心がけることが大事だし、より考えることのきっかけとして実際に足を運んで自分たちの目で見てもらいたいとも思います。
バガン遺跡は世界遺産に登録されたことで、観光客が今以上に増えていきオーバーツーリズリズムの懸念も出てくるかもしれません。バガン以外でも、旅先に敬意を忘れずに訪れる人が少しでも増えると嬉しいです。

TABIPPOのビジョンは「旅で世界を、もっと素敵に」。私たちのミッションとして、ただ単に旅は楽しいよ、あの絶景は綺麗だよと伝えるだけではなく、環境、社会問題や観光地が抱えている問題などをもっと発信し、世界で起こっていることにも興味を持ってもらい、自分ごとに考えてもらうことが大事なんじゃないかと思っています。
若者が旅をする文化、そして旅で人生が豊かになる仕組みを創っていく。このミッションを達成するために、これからも「旅を広める大切さ」を忘れずに取り組んでいきたいと思います。
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