こんにちは、TABIPPO社員メンバーの中では唯一の女性世界一周経験者、中 美砂希です。私が世界一周したのは2013年の12月から。

現在は旅を広める会社で働いていますが、当時は「旅を広めたい!」なんてこれっぽっちも思っておらず、「この世界に溢れる絶景を自分の目で見たい。」そんな気持ちだけで9ヶ月間旅をしていました。

帰国してから必ず聞かれるのが、「どの国が良かった?」の質問。私は考えることなく「クロアチア」と答えています。

旧市街が世界遺産に登録されている街、ドブロブニク

「クロアチアのドブロブニク旧市街が一番好きなのよ」

大学の講義に世界遺産を学ぶ授業があり、教授が言ったその言葉がずっと忘れられませんでした。

添乗員としてヨーロッパ各地をまわっていた教授が見せてくれた一枚の写真に写っていたのは、大好きな映画「魔女の宅急便」に出てきそうな輝く青い海とオレンジ色の屋根が広がる景色。

私はその美しい景色に一目で虜になってしまったのです。そして、数年後に世界一周のルートを決める時、クロアチアのドブロブニクは絶対外せない場所になっていました。

アドリア海の真珠が私を笑顔にさせてくれた

東回りで旅をしていたのですが、南米大陸からヨーロッパ大陸に向かった後、南米で受けていた刺激的な毎日とは違い綺麗な景色が続くヨーロッパに少しテンションが下がっている自分がいました。

そんな気持ちを抱えながら、クロアチアの観光名所ドブロブニクへと向かいます。

アドリア海を横目にバスで走る中、次第に頭の中では映画「魔女の宅急便」のBGMがリピートし始めます。

「海ってこんなにもキラキラと輝くんだ!」

アドリア海の美しさに心を奪われ、次第に落ち込んでいた心も晴れて笑顔になっていきます。バスターミナルに到着した時にはこれから始まるであろうワクワクするような展開に胸が高まるばかりでした。

旧市街を見渡すベストスポットは、ケーブルカーに乗って訪れることができるスルジ山。ここから見下ろす街の景色には本当に言葉を失いました。

ドブロブニクが「アドリア海の真珠」と例えられている理由にも納得です。映画「魔女の宅急便の」登場人物キキの「決めた!私この場所に住む!」のセリフが一瞬頭を横切りました。

路地裏散策も楽しみの一つ

旧市街は城壁に囲まれており、自由に登って散策することができます。ここから見える景色もまた格別で、ゆっくりと絶景散歩を楽しむことができます。

オレンジ色の屋根をした絶景をこれでもか!というぐらいに堪能することができるのです。

また、街の楽しみ方の一つにおすすめなのが、路地裏の散策です。

治安が大丈夫そうだな、と判断できる場所では地図を見ずにあてもなく路地裏を散策するのが趣味なのですが、ドブロブニクでの散策は常に心が踊っていました。

一歩中に入れば、洗濯物がはためき、ご近所さん同士で会話をしていたり、絵を書いている人がいたり、何もせずにおじさんが街を眺めていたり。人々の生活を垣間見れることができます。

この先にはどんな光景が待っているんだろう、とワクワクしながら階段を登ったり降りたりするのがとっても楽しいんです。

美しさの裏に悲しい過去を持つドブロブニク

ケーブルカーで訪れたスルジ山には「戦争博物館」があります。こんなにも美しいドブロブニクも1991年からの内戦で大きな被害を被っており、街中に銃弾の跡がリアルに残っているのです。

もともと観光地だったこの街も大きな被害を受けて、一時は危機遺産にも登録されました。けれど戦後に街の人や、世界中からボランティアの人が集まって必死の復興作業の結果、1998年に危機遺産を脱し、アドリア海の真珠はもとの美しさを取り戻したのです。

美しさの裏には多くの人の悲しい歴史や復興への想いが詰まっていることも訪れた時に少しだけでも思い出してもらえたらなと思います。

他にもお勧めしたいクロアチアの街

ドブロブニクの魅力を色々とお伝えしてきましたが、クロアチアには他にも魅力的な場所がたくさんあるので、ぜひご紹介したいと思います。

まずは首都のザグレブ。

レトロな聖マルコ教会、ハートのモチーフが可愛いマグネット、ドラツ市場の真っ赤なテント。この場所は私は勝手に愛に溢れた赤い街のイメージを持っています。

失恋した時の思い出の品が展示されている、ユニークな「失恋博物館」があるので、時間があれば訪れてみてください。

ザグレブから日帰りで訪れることができる世界遺産プリトヴィッツェ国立公園は、エメラルドグリーンの景色が多くの人を魅了している国立公園。

大小合わせて16の湖と92の滝がエメラルドグリーンの美しい世界をつくり出しています。お天気のいい日はサンドイッチを作ってピクニックしたくなってしまうかも。

また、青の洞窟の拠点となるフヴァル島の海の綺麗さも心を鷲掴みにされました。

ラベンダー栽培で有名な島で、路地を抜ければそこはもう目の前にアドリア海が広がっています!

コバルトブルーに輝く海を目の前に、時間を忘れて美しい海をずっと眺めていたくなるんです。

そして、最後は港町のロヴィニ。小さな街ですが、街の中心には教会があり、その展望台からは町全体を見渡すことができます。

ちょうど訪れた時は工事中で登れなかったのですが(悲しい)、こちらの街も路地裏を散策しながら迷路に迷い込むのがとても楽しい街で、ドブロブニクをぎゅっと小さくしたような街に感じました。

心が踊るような体験をぜひ

全ての国を訪れたわけではないですが、個人的にクロアチアのドブロブニクが一番好きな国、そして一番好きな街です。

ドブロブニクで、あのキラキラと輝くアドリア海の景色を見たときの感動、興奮、高揚感、胸を鷲掴みにされた気持ちは今でも思い出すだけで私をドキドキさせてくれます。それはまるで恋に落ちたときの気持ちみたいに。

ヨーロッパに入り、ずっと気持ちが落ち込んでいたけれど、滞在している時に久しぶりにときめく感情を体が思い出していました。

あの時手紙を書いていたら「おちこんだりもしたけれど、私は元気です。」なんて書いていたのかもしれません。

女性一人でも十分に楽しめる国クロアチア。次の旅先の選択肢の一つにいかがですか?

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