どーも!世界一周中のトラベラー、きょろです!
今回の舞台は中東のヨルダンとイスラエル。
中東と聞くと、危なそうだったり、宗教同士の問題だったりなど、基本メディアを通して得た情報で、あまりいいイメージはないんじゃないかな。でも、実際どうなのかはわからない。
そして、その答えは行った者にしかわからない。
その場の「リアル」を伝えることは「リアル」を感じた者にしかできない。だからこそ実際に行って、感じたものをここで伝えたい。
①冒険心溢れ出す、古代都市ペトラ遺跡
10月のヨルダンの朝は少し冷え、いつものタンクトップの上にシャツをはおり、ペトラ遺跡へと向かった。
映画『インディ・ジョーンズ』の舞台にもなっているこの有名な観光地は、入場料が高いことでも有名。しかし、自分はいくつかの写真を見て、少年のような冒険心をくすぐられ、この古代都市に行かないわけにはいかなかった。
そして写真で見ていたあの景色が渓谷の間から顔をのぞかせているのが見え、無意識に歩が速くなる…。
ずっと写真で見ていた景色を目の前にして、「エルハズネ」の迫力に圧倒され、この時の感動、興奮は去年の南米旅マチュピチュ以来の体験に。
「これだ、この感覚。この感覚が自分の旅の原動力だ」
自分が改めてなぜ旅をしているのか、なぜ旅が好きなのか、再確認できる良いきっかけにもなった。
ペトラ遺跡にはメインルートの他にトレッキングルートが存在し、自分は迷いもなくトレッキングルートへ。
このルートのほうが間違いなく辛いのはわかり切っている。けど辛い道の先にある絶景は間違いなく素晴らしいものなのもわかっている。
完全にペトラ遺跡の虜になってしまった自分は、気付けば時刻が夕方になっていても、少年のように遺跡を駆け巡っていた。
ペトラ遺跡。自分の中で間違いなくベストな場所の1つに。
マチュピチュ以来の感覚が自分の旅を改めて見つめ直すきっかけとなった今回のペトラ遺跡。確かに入場料は高いが、これから中東、ヨルダンを訪れる人は是非行ってきてほしい。値段以上の価値があるのは間違いないから。
②国の中にある国へ?
「イスラエルという国の中には国として認められていない国がある。」
自分がイスラエルに行く前に、ある旅人から聞いた話である。それを聞いたとき、何も知らなかった自分は何を言ってるのか理解できなかった。
どうやら、その国として認められていない地域というのは、パレスチナ自治区といって国旗はあるが国として認定されていない地域のことであった。
分離壁と呼ばれる高さ8メートルの壁が、イスラエル側とパレスチナ側を遮っており、イスラエル側の人は自由に行き来できるが、パレスチナ側には自由はない。しかもその壁の位置が予定よりもパレスチナ側に建てられている。
これだけでも、この両者の力関係は明らかであるのがわかった。
何故そのような現在の状況になったのかは歴史的背景から少しは理解できたが、実際そのような背景がありながらも、その場に住み、生活している人は一体どんな思いで暮らしているのだろうか。
自分はこの壁を、その場で暮らしてる人を見てみたい、感じてみたい。そして国の中の国という異質な空気感を感じてみたく、エルサレムから分離壁があるベツヘレムという街まで足を運んだ。
特にこれといって、特別に何かが違うわけでもない。歩いてる人も、家もお店も、道も車も。ただ1つ違うのは高くそびえ立つ壁だけであって、それ以外は本当に何も変わらない光景であった。
ただ、たったこの壁の存在が異常に、そして異様な存在感のため、何も感じないわけにはいかなかった。
ベツヘレムにあるバンクシーの絵を見るために、タクシーに乗り、いくつかの絵を巡ってもらうことに。そのドライバーと話していた時に、自分は無意識に「壁」のことを聞いていた。
あの時のドライバーの顔を見た時、「あ、タブーな質問をしたかも」と感じた。実際にドライバーも話したがらなそうだったので、それ以上は聞かない事にしたが自分のあまりの無神経さに反省せざるをえなかった。
そして日帰りでベツヘレムからエルサレムへ戻る時間に。戻る途中に、来た時とはうって変わって、大きい銃を持ったセキュリティの人のチェックがあった。その時に「あぁそうだ、自分は今そういう場に来ているんだ」と改めて実感させられた。
③聖地エルサレムで「理解する旅」
自分は信仰している宗教がない。無宗教である。今までの人生で宗教について考え、勉強しようだなんて少しも思ったことすらない。恥ずかしいぐらい無知すぎる自分は無宗教が当たり前、信仰している宗教がある人のほうが特別だと考えていたぐらいだ。
しかし、去年の南米旅と今回の世界一周旅で、その考えは嘘のように変わり、今では旅をする上で、宗教への理解なしに世界を理解することは不可能だとも考えている。
旅をすれば必ずと言っていいほど、どこの国でも、観光地には教会や寺などが多い。それを「綺麗だな、すごいな」で終わらせないためにも、宗教の知識は最低限でも入れておくと、その知識が理解度を深め、「旅の質」がよくなるんじゃないかな。
世界一周中にインド、バラナシでヒンドゥー教に触れ、初めて宗教というものを考えさせられ、向き合い、学ばなければいけないと実感し、そして今回のイスラエルのエルサレムを訪れた。
街を歩けば、初めて見るユダヤ教徒の服装。時間になればイスラム教徒のサラートがお祈りの時間を知らせ、街の中にはもちろんキリスト教徒の人もたくさんいるだろう。
せっかく3つの宗教の聖地エルサレムに来たということもあり、今まで避けてきた「宗教」に向き合ってみることを決め、少しでも理解できるようにしてみた。そしてこの決断が自分の旅に対する意識が変わるきっかけにもなった。
もちろん行き当たりばったりのような知識で宗教を理解できるなんて少しも思っていないし、できるわけもないのはわかっている。
それでも今回、表面上の知識だけでも頭に入れ、聖地を訪れてみて、今まではわからなかったであろう、そこで教徒がしている行動や聖地にあるものや絵が持つ意味を多少なりでも理解ができている事に気付き、その場を後にした時の充実度がかなり違うことに気付く。
「あー、今までの旅は浅い旅をしていたんだな……」
思わず今までの旅を振り返ってしまった。少しの反省とこれからの期待、ワクワク。自分の旅はいくらでも変えることができるということ、理解度の深さや充実度も同じくそうで。自分のこの変化に気付けたからこそ、多くの旅人にも伝えていきたいと思う。
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