旅ならではの体験

カンボジア、と聞いてどんなことを想像しますか?当初の私はカンボジアという国のことをタイの隣にある国でアンコールワットという世界遺産があるところ。くらいの認識でした。特にアンコールワット以外に期待もしてなかったのでとりあえず2週間いてみよう、と思っていた私が気がつけばビザなし滞在ギリギリの30日間までいてしまったほどシェムリアップの魅力に取り憑かれていたのです。

タイからバスに揺られ10時間ほどでカンボジア・シェムリアップに到着。お腹が空き適当に入ったレストランが超絶おいしい……。写真はカンボジア料理のロックラック。写真は甘辛のソースをつけて食べる牛肉がメインの料理。


これがボリューミーかつスムージー付きでおよそ4ドル。え、もしかしてカンボジアのごはんってコスパ最高なのでは?初日の夜から私のカンボジアに対する好感度は爆上がりしました。それから1週間調べるわけでもなく適当に入ったお店がどこも当たりで充実した食生活を送っていたのです。

ある日の午後、いつものように昼食を済ませ宿で仕事をしていました。あれ、なんだか頭痛がする。その日はあまり気にせずそのまま過ごしました。しかし次の日の夜まで頭痛は続きだんだん寒気もでてきたのです。そういえば昨日の夜からお腹も緩い。

これは……と気づいても時すでに遅し。人生初の食中毒。それから発熱、腹痛、頭痛、寒気、節々の痛みなどの症状を抱えながら4日間にわたりベッドとトイレを右往左往する生活が続きました。


旅をするならいつかはなるかもしれないと思っていたけど食中毒がこんなにも辛いなんて思ってもいませんでした。しまいにはベッドで寝込んでるよりトイレにパソコンを持ち込みNetflixを観てる時間の方が長かったんじゃないかというレベル。

辛すぎる一方、これが旅ってやつか……。なんてトイレに籠りながら思いを馳せました(笑)

謎の美女とアンコールワット観光

食中毒生活も4日目。この日は日本から来る友人とアンコールワット遺跡群を観光する日でした。どうしても行きたかったため出発直前までお腹と相談して行くことを決断。アンコールワット遺跡群まで行くトゥクトゥクに乗ろうと待ち合わせ場所まで行くと見知らぬ美女がいました。

「ん?誰?」

話を聞くと友人がその女の子とシェムリアップ名物パブストリートのクラブで仲良くなったのだそう。私、私のパートナー、日本の友人、カンボジア人の美女という謎のメンバーでアンコールワットに行くことに。最初は友人は騙されているのでは……?と心配していたのですが話しているうちに本当にいい子で私のことをsister(お姉ちゃん)と呼んでくれるほど仲良しになりました。


メインの目的であるアンコールワットもとても神秘的で感動!ガイドさんが教えてくれる歴史的背景も知ることで、私の中のイメージが「ただの石の建物」から「いろんな歴史が詰まっている偉大な遺跡群」という印象に変わりました。本当に行ってよかった。

電気がなさすぎて失職の危機!?

5日間にわたる食中毒生活を乗り越えて毎日、仕事→スムージー→昼寝→散歩というほのぼのした日々を送っていたのですが、シェムリアップ滞在に1つ難点がありました。それが計画停電です。

不規則に5日に一度、多い時には1日に2回ほど街全体が停電してしまうのです。パソコンで仕事する私にとっては死活問題です。カンボジア人たちはおしゃれにキャンドルを焚くほど慣れていますが(笑)


とはいえ、数時間ですぐに復旧したりエアコンだけは自家発電機を使っていることが多いのか、暑さはないしパソコンもタイミング悪く充電がなくならない限り耐えていました。そんなある日、また恒例の停電。またか〜と思っていた矢先、パチッとすぐに復旧しました。

スマホもパソコンも充電ギリギリだったので充電器をコンセントに差した瞬間。

「ビリビリッ」

と体に微弱な電流を感じたのです。そしてパソコンの充電器からは黒い液体と鼻がツンとするような異臭が……。


そのあと何度どのコンセントを試してみても充電されることはなく故障確定。充電もゼロだったためにデータが安全かの確認もできず。

やばい。データのバックアップはあるにしろ充電ができない。急いでAppleストアを探したもののカンボジアにはありませんでした。

宿のオーナーに相談したら次の日の朝一で知り合いだという家電量販店に連れていってくれました。原因はおそらく湿気と自家発電による漏電だろうと。変圧器を使わなかったことを後悔しました。近くに正規のApple用品を取り扱っているお店があることが分かり(怪しいけど)即充電器を購入。およそ80ドルの出費でした。痛かった……涙

カンボジアの新年はびしょ濡れ

色んなトラブルを乗り越えカンボジア生活も早2週間。当初は次の国への移動を考えてましたがもうちょっといたいな〜という気持ちと2週間後にクメールニューイヤーというカンボジアのお正月があると知り延長を即決。

クメールニューイヤーでは新年をお祝いするために1日中、全国民がいたるとことろで水鉄砲やなんやらで水を掛け合うお祭りです。なんと楽しそうな行事なんでしょうか!

好奇心旺盛で新しいことが好きな私はワクワクが止まりませんでした。4月15日。街へ繰り出そうと準備をしていると宿のスタッフさんたちに「鍋パーティするから食べようぜ!」と誘われ意気投合。そして一緒にシェムリアップで1番盛り上がるというパブストリートへ。

パブストリートに辿りつくまでも目が合うと誰でも構わず100%水をバシャーン!!!とかけられ、日本ではありえない光景に唖然としました。パブストリートに到着すれば当然、道ゆく人全員がどデカイ水鉄砲を構えて待ち受けています。見てくださいこのパリピ具合。

そして水鉄砲ともう1つ、クメールニューイヤーには必須のアイテムが。それがベビーパウダー。なんでベビーパウダーなのかというと、どうやらカンボジア人に聞いてもよくわからないそうです。とりあえずパブストリートをねり歩いた2時間半、踊り歩きながらひたすら水攻撃とベビーパウダーの塗り合いが続きました。最高に楽しくて今までにない刺激的な年越しを経験することができました。

トラブル続きなシェムリアップ生活でしたが、ここにはまた来たいと思えるほどの魅力がありました。とにかくみんな優しいんです。どこに行っても何を聞いてもとりあえずコミュニケーションを取ろうとしてくれました。レストランの店員さんとはすぐ仲良くなれるしアンコールワットをまわった美女とはいまだに連絡を取るほどに。

英語を喋れる人が多いし日本語を知ってる人もいて英語、日本語、クメール語を織り交ぜながら話が盛り上がるのがとても面白かったです。またあの温かい人たちに会いに、ロックラックを食べに、カンボジアに行こう。

P.S. お祭りで水鉄砲の水をたくさん飲んで、帰宅した瞬間にトイレに直行しました。またお腹を壊しました。

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