2017年の8月から11月にかけてピースボートで世界一周をし、見事「旅」というワクワクする魔法にかけられた私は、2018年が始まり「旅」のない生活に退屈さを感じ、悶々と過ごしていた。

そこで成人式が終わった1ヶ月後、まだ行ったことのなかったアフリカ大陸にあるウガンダ共和国に行くことに。

そんな勢いで飛び出した初めてのアフリカ旅で、私は自分の幸せについて向き合い「自分が何を大切にして、将来どうなりたくて、どうありたいか。」ということを10日間、自分に問い続けた。

本当の“幸せ”とは何か、“豊か”な暮らしとは何か。きっとこれを読んでいるあなたも、自分なりの「幸せ」について悩んだことが一度や二度はあるだろう。そんなお悩みを解消するヒントになったらこの上なく嬉しい。

私はウガンダのエンテベ国際空港に到着後すぐに、ウガンダの首都「カンパラ(kampala)」から南に5時間ほど車を走らせたところにある田舎町「キョーテラ(kyotera)」へと向かった。

でこぼこ道を5時間走らせた目的地までの道のりは少々しんどさがあったものの、交通ルールを全く守らず大渋滞を引き起こしている様子や、1頭の牛が道路を歩いているカオスな状況など、アフリカならではの光景に何度も驚き心を踊らせ続け、なんとか飽きることなく、目的地「キョーテラ(kyotera)」に到着した。

1.「楽しさ」こそが人を豊かにする

今回ウガンダに行った理由をざっくりお伝えすると、日本で知り合ったウガンダ人フレッドの故郷に遊びに行こう!といった内容だった。そんなフレッドとフレッドの親戚たちが、私たちのためにウェルカムパーティーを開いてくれた。

アフリカから遠く離れた日本という国の人が、ウガンダの田舎町に来ることはそうないらしく、村中の人々が参加し、このパーティーは大いに盛り上がった。

そのウェルカムパーティーのなかで思い出深いことが、私たちのために見せてくれた彼らの「伝統ダンスショー」と、日本人とウガンダ人みんなで踊り狂った「ダンスタイム」だった。

冷蔵庫や電車やテレビはないけれど、ウガンダにももちろん「娯楽」はある。その一つとして挙げられるのが「ダンス」だ。ウガンダの国民性なのか、音楽がなりだすと一斉にみんなが踊りだす。

お世辞にもかっこいいとは言えないダンスをしている人もいるが、そんなのお構いなしに屈託のない笑顔で楽しく全力で踊る。きっと「ダンス」というものは、ウガンダの人々にとってなくてはならないものなのだと、この時すごく感じた。

パーティーが終盤に差し掛かる頃、私の手を引っ張り、一緒に踊ろうと誘って来るウガンダ人がいた。

恥ずかしがり屋の私は最初は拒んでいたが、それでも踊ろうと強引に引っ張ってくるので、よし、私も踊ろう!と一大決心をして、しぶしぶ踊り始めた、その10分後。我を忘れたかのように、見事に私もノリにのって踊っていた。

私のダンスは、きっとうまくはなかっただっただろう。でもみんなが笑顔になって楽しんでいたし、そんなことを気にする人は誰もいなかった。

私はあの瞬間の、アドレナリンが放出しまくった心からの「楽しい」という気持ちが忘れられない。きっと純粋な「楽しい」という気持ちは自分自身を豊かにし、幸せにしてくれる。

日本には便利なものや、生活を快適にしてくれるものは溢れているかもしれないけれど、どこか自分の本当の姿を出しづらかったり、どこか窮屈な部分がある気がする。

今私たちに必要なのは、「便利さ」よりも「楽しむ心」なのかもしれない。そして「楽しい」と感じる自分の気持ちを大事にすることこそが、自分の人生を豊かにしてくれるのだと、一見当たり前のようなことを改めて痛感した。

2.「今」を大事に生きること

私は、つい日々の大切さを忘れがちだ。毎日なんとなく過ごし、なんとなく大学に通い、当たり前のように電車が走っていることに疑問すら覚えず、なんとなく電車に乗って、なんとなく友達と遊んで。なんとなく、バイトして。

いつもなんとなくで生きてきた。なぜか将来のことは人一倍考えて。「今」この瞬間がもう二度と来ないのは、少し考えればわかることなのに。

でもそんな私の生活とは真逆で、ウガンダの人々は“その日一日、自分と周りの人々がどう幸せに楽しく暮らせるか”をまず第一に考え、遠い未来を見るのではなく「今」をすごく大事に生きているように見えた。

今ある家、家族、育てた野菜があれば今日も美味しいごはんがみんなと食べられる。何も不自由などしていないし、そんな日々の価値を大切に過ごしている。

「今を大事にしている?」そう問われている気がした。だって「今」の積み重ねが未来なんだから。「今」幸福感を感じているか、にもっと目を向けることが自分が幸せになる大事な要素なんだと思った。

3.自分のものさしで「幸せ」を決めればいい

私はフレッドの故郷「キョーテラ(kyotera)」に2,3日ほど滞在した。ウェルカムパーティーの後は、フレッドの協力のおかげで小学校で大運動会を開いたり、街中を探索したりと、様々なことが体験できた。

そんな中でふと思った疑問が、本来「貧しい」とはなんなのか、「幸せ」とは何なのか、ということだった。

「アフリカの子どもはかわいそう」そんな言葉を聞いたことがある。実際、自分もそう思っていた部分があったかもしれない。

正直、ウガンダ共和国の一般階級の人々の家は土や藁でできているし、蛇口を捻ったからといって飲み水がでるわけでもない。

教育環境も整っているとは到底言えない。とても快適に、そして当たり前に教育を受けられる日本とは違って、1つの机や椅子に3人以上でぎゅうぎゅうに座って授業を受けている。

この情報だけを聞くと、なんて日本に住んでいる私たちは恵まれているんだ、と思ってしまうだろう。

だが実際は、縄跳び一つで大人から子供みんなでゲラゲラ笑い長時間ぶっ通しで盛り上がれるし、授業中もみんな目を輝かせて授業に参加している。

そして、木を登ればフルーツが食べられ、自分たちで育てた無農薬のお野菜を食べて生活し、100%自給自足の暮らしをしている。

物理的な貧しさと心の貧しさって全然違う。人間にとっての幸せとは何なのか。いや、この問いすら、間違いなのかもしれない。世間一般の人にとっての幸せなんて考えなくていい。自分にとっての幸せが一番大事なんだ。

日本にいるとつい他人と比較して自分の「幸せ」を測ってしまう。いらない情報や見栄、プライドが邪魔をして、どんどん世の中の基準のなかでの「幸せ」に近づこうとしてしまう。たとえそれが、自分の本当の「幸せ」ではないとわかっていても。

自分にとっての「幸せ」を追求し、自分のものさしで「幸せ」を測ればいい。もっと自分に素直でいいんだ、自分の気持ちを大事にしよう、そう気付かされた。

4.恐れずに行動すれば素晴らしい景色が待っている

初めて行ったアフリカ旅。ウガンダのエンテベ国際空港に到着したときに、たくさんの黒人がジロジロ見てきた中で一歩一歩足を進めた、あの不安と期待が入り混じった胸の高鳴りは、2年経った今でも忘れられない。

失敗やまだ見ぬ恐怖を恐れずに行動すると、自分の想像を超える最高のものが見られたり、肌で感じることができる。今まで考えたこともなかった価値観、思想に触れ、見たことのなかった景色や人々と出会い、自分にとっての「幸せ」と向き合う時間となる。

旅をして、確実に以前よりも生きやすくなったと思うし、えいや!って未知なるものに飛び込む精神も以前より身についたと思う。

私はきっと好奇心旺盛な性格だから知らない世界を知り、少しばかり刺激があったほうが人生を豊かにできるのだと思う。だからこそ、今後も恐れずにどんどん行動して、素晴らしい景色を味わい、自分だけの「幸せ」な人生を創っていこうと思っている。

そんなことを気づかせてくれたのが、アフリカのウガンダ共和国にある田舎町「キョーテラ(kyotera)」への旅であった。

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